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【半導体】中国Epiworld、12インチ高品質SiCエピタキシャルウェハーの開発に成功
2025-12-25 11:54:51
調査会社TrendForce傘下の化合物半導体専門メディア『集邦化合物半導体』は2025年12月24日付で、中国Epiworld(瀚天天成)がこのほど、研究・開発(R&D)チームの自前の技術をもとに、世界初の300ミリ(12インチ)高品質炭化ケイ素(SiC)エピタキシャルウェハーの開発に成功、発表したと伝えた。同メディアは、この成果が、中国における第3世代半導体産業の量産化と低コスト化の実現に向けた重要な基盤になることが期待されていると評した。


SiCエピウェハーについて集邦化合物半導体は、ワイドバンドギャップ半導体の中核材料として、高耐圧・高温・高周波対応のパワー半導体デバイス製造に不可欠であり、電気自動車(EV)、太陽光発電・蓄電、鉄道交通、航空宇宙等の戦略的新興産業分野で幅広く採用されていると指摘。その上で、今回Epiworldが発表した12インチSiCエピウェハーは、主要性能指標において国際先進水準に達しているとし、外延層の厚さの面内均一性は≤3%、ドーピング濃度の均一性は≤8%を達成、2mm×2mmチップ換算での歩留まりは96%を超え、高性能パワーデバイスの量産化需要を十分に満たしているとした。

さらに、注目するべき点として、同製品がコアサプライチェーンの中国国産化を果たしていると指摘。エピタキシャル成長装置には、中国Jingsheng Mechanical & Electrical(晶盛機電)傘下の求是半導体が開発した国産装置を採用し、SiC基板は中国SuperSiC(浙江晶瑞)が供給しているとした。

Epiworldについて同メディアは、SiC分野のトップレベル科学者である趙建輝・博士が2011年3月に福建省アモイ(厦門)火炬ハイテク区で創業、SiCエピウェハーのR&D、量産、販売を手掛けており、製品ラインは3・4・6・8インチSiCエピウェハーを網羅していると紹介。パワー半導体製造におけるコア材料として、EV、充電インフラ、蓄電システム、エネルギー供給、データセンター等、多様な川下分野に展開しているとした。

生産能力については、厦門火炬ハイテク区翔安片区に3工場があり、コア生産ラインは6~8インチSiCエピウェハーのR&D及び産業化プロジェクトを手掛ける第3工場区に集中、クラス100の超クリーンルームと外延成長、検査、洗浄の一貫装置を備えているとした。

集邦化合物半導体によると、Epiworldは、中国ファーウェイ(Huawei=華為)傘下のHubble Investment(哈勃)や中国CR Micro(華潤微電子)等の出資を受けている。2024年12月には、Pre-IPOラウンドで総額10億元(1元=約22.2円)規模の資金調達を完了、評価額は約260億元に達した。

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